要するにヘルニアがでるくらいに骨がズレているだけです。
手術を進められている方が腰痛で死んだ人はいませんが腰痛の手術で死ぬ人がいます。
椎骨と椎骨の間でクッションの役目をしているのが椎間板です。その椎間板が潰れて中から髄核が飛び出した状態をヘルニアと言います。ヘルニアが神経を圧迫してしまうことで痛みが出るというのが、現代医学で通説となっている神経圧迫説です。ヘルニアが神経を圧迫しているので症状が出ているとして、痛みが激しければ、切除する手術がおこなわれます。
一方、背骨コンディショニングでは、背骨がズレているので、神経が引っ張られて痛みが出ている、また骨がズレて一方向に圧が加わりヘルニアが出るのだと考えています。ほんとうにヘルニアが原因であるなら、その原因を取り除くわけですから治らなければいけないのですが、実際にはヘルニアの手術をしても治らない人がたくさん施術にいらっしゃいます。そうした人が矯正に来られて骨をみると、仙骨及び椎骨がヘルニアになるほどズレれているのが見てとれます。
驚くべきことに、痛みがない人(腰痛)を無作為に選んでMRIを撮ると、21~36パーセントの確率でヘルニアが見つかるのです。(注1)
1年に1ミリずつ骨が変位しても、神経が馴染んできて痛みは出ないものです。ヘルニアが出るくらい骨がズレていても、少しずつ変位して馴染んでいけば痛みは出ないのです。
ヘルニアは椎骨が左右どちらかに捻転、変位して、一方に圧がかかっているから出ているだけで、矯正して骨が正しい位置に戻れば引っ込みます。実際にヘルニアを患っている人のMRIを見せてもらうと、必ず椎骨が変位しています。骨がズレるとどういう症状を起こすのかという前提となる理論がないので、骨には異状がないと診断されるのです。
整形外科でも最近になってようやくヘルニアが痛みの原因ではないのと言うグループも現れ始めました。椎骨の右にヘルニアがあるけれど、背中の左側に痛みがある人はたくさんいます。もちろん、逆のパターンもありますが、なぜか痛みの出てないほうに出ているヘルニアを手術して、当然ですが痛みが収まらないという人が施術を受けにきます。
とはいえ、神経圧迫説をすべて否定するわけではありません。たとえば、密閉されている脊柱管の中にヘルニアが出ると、神経が圧迫されて痛みが出ます。
腰痛の痛みを訴えている方のヘルニア手術の死亡リスクは約0.6%と言われ1000人手術すると6名の方が亡くなる計算になります。感染症罹患は0.3%神経学的合併症も0.3%ちなみに腰痛でよくおこなわれる手術で、脊椎固定術で0.2%=20人、椎弓板切除術で0.32%=32人が死亡することになります。(注2)
また感染症を起こす方や神経損傷で苦しんでいる人もいます。ヘルニアの手術をしたのに、神経まで切られてしまったのです。背骨コンディショニングの矯正会場にもヘルニアの手術をしたら感覚がなくなったり、しびれが出た人がたくさん来ます。ヘルニア手術のリスクについては、事前に承諾書を書かされるので、死んでも、後遺症が出ても病院に文句も言えないのです。
また、手術をしてもしなくても4年後、10年後の追跡調査で差はなかったというデータもあるようです。(注1)~(注3)『腰痛は怒りである』長谷川淳史著(春秋社、2002年)
あくまでも手術をする、しないは本人の意思ですから、よく考えていただきたいと思います。
ヘルニアなら手術をしなくても、背骨の歪みを矯正して治った例が数多くあります。
特に腰痛にかんしてはしつこい腰痛を訴える人には、骨にガンがないか必ず検査を受けてくださいとお伝えしています。ガンの場合は運動や矯正で痛みは緩和しますが治りません。
コメントをお書きください